経営幹部・管理職の転職 > エグゼクティブコラム
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景気後退に伴い、企業の採用は慎重姿勢。より「即戦力」を求める傾向が強くなってきました。リーダー〜幹部クラスとなると、業種/職種の経験だけでなく、「どんな状態の組織で、どんな課題に取り組んだか」も重視されます。さて、あなたの強みが生かせる舞台とは?
森本千賀子
リクルートエージェント
ビジネスプロデューサー
93年入社以来、主に、経営幹部・管理職クラスを求めるさまざまな企業ニーズに応じて人材コーディネートに携わる。
特に、ベンチャー企業、株式公開予備軍の顧客情報・顧客リレーションが強み。過去の膨大な決定事例から、企業の成長フェーズにあわせた課題解決には定評があり、多くの経営者のよき相談役として公私を通じて頼りにされている。
狙う「マーケット」の
状態にも注目を
草創期、拡大期のベンチャー企業への転職を考える場合、もう1つ注目したいポイントがあります。それは、その企業が勝負しようとしている「マーケット」。大きく2つに分けるとすれば、「まったく新しいマーケットを創造する(ニッチ分野の開拓も含む)」のか、「すでに成熟したマーケットに風穴を開ける」のかです。同じ業界であっても、どちらのタイプかによって、必要な能力や動き方、展開スピードなどが変わってくるはずです。
「マーケット創造型」の企業の場合、短期間で移り変わっていく世間のニーズをとらえるトレンドウォッチャー的なセンスや、マーケティング力が重視されるケースが多いようです。スピード感も必要で、走りながら感触をつかみ、随時変えていく柔軟性、臨機応変の対応力がものを言います。いわば「突進力」が求められます。
一方、成熟したマーケットに新しい概念や手法を持ち込むとなると、ある程度時間をかけてじっくり取り組まなければなりません。たとえば、法人向け商品・サービスを扱う場合、既存のものから転換してもらうには、あらゆる角度から課題をつかみ、1つずつ対処して外堀を埋めていくといった地道な活動を行うことになるでしょう。思慮深く、ある程度長期的な視点で戦略を組み立てていく力が求められます。
もちろん、上記は明確に傾向が分かれているわけではありません。ただ、ベンチャー企業を目指す場合は、マーケットの状況を考慮することで、入社後の自分が求められる動きをイメージできるはずです。
『リクルートエージェントNO.1営業ウーマンが教える 社長が欲しい「人財」!』
(大和書房より発売中)
リクルートエージェントのトップ営業ウーマン、森本千賀子の思いやノウハウが一冊の本になりました。

「本当に自分に合う会社に出会いたい」と思うなら、業種や職種だけでなく、企業の「成長ステージ」にも注目してみてください。
1つの会社でも、草創期/拡大期/多角期/変革期など、成長ステージによって求める人材は異なるものです。それと自分自身の強み・志向をマッチさせることで、単に「経験が生かせる」だけでなく、「やりがい」「醍醐味」を味わえるはずです。
まず、設立間もない「草創期」の会社では、自分自身で考え、自分で判断して行動を起こしていける「セルフスターター」を求めます。自分の担当領域を区切らず、必要と感じれば幅広い業務に対応する姿勢がある人が重宝されるのです。ルールも仕組みもマニュアルもない状態から、それらを自分の手で作り上げていくことを面白いと感じる人、自分のアイデアや行動が経営に大きな影響を与え、会社の「DNA」の形成の一端を担うことに喜びを感じる人にはうってつけのステージといえるでしょう。
事業モデルがある程度固まり、マーケットに攻勢をかける「拡大期」の企業では、組織の機能分化・最適化が進められます。専門部署を立ち上げるタイミングでもあるため、自身の専門性を生かしながら、よりよい組織体制や仕組みの構築に取り組みたい人に向いています。
また、軌道修正をかけやすい柔軟な組織状態であるため、専門領域だけにとどまらず、興味のある他分野の業務にも関わっていくチャンスがあるでしょう。従業員も急速に増えていく時期なので、リーダーやマネージャーのポストも豊富。早くからマネージメント経験を積むことができます。組織力を生かして、草創期よりもダイナミックに仕掛けていくことも可能。さらに、IPOに向けての仕組み・ルール整備を経験すれば、キャリアのバリューアップにもつながります。変化が激しいステージなので、企業の成長と同時に、自身の成長感も得やすいはずです。
企業や商品のブランドが広く認知され、さらなる成長を目指すために新規事業などに乗り出す「多角期」。競合各社からも意識される中で差別化を図る必要があり、これまで以上にマーケティング力が求められます。草創期〜拡大期のように、「走りながら考える」というよりは、戦略性をもって取り組める人、すでにあるビジネスインフラやブランドを効果的に活用するのが得意な人にふさわしいステージです。社内の関連部署と協力したり、他社とアライアンスを組んだりする場面も多いだけに、人脈の構築がうまく、「チームプレー」にやりがいを感じる人に活躍のチャンスがあります。
そして、「変革期」。成長が鈍化、あるいは右肩下がりとなり、思い切った改善施策や方向転換が必要となる時期です。破たん寸前の状態までいっている場合は「事業再生期」ともいえます。
ここでは、既存のコンサバティブな体制ややり方と新しいチャレンジングな取り組みの間に立って調整を行う力が求められます。さまざまな摩擦が生じやすい中で、社員のモチベーションを引き上げていくことが重要であるため、ビジネススキルだけでなく人間力も必要とされます。苦労が予想されるものの、課題が難しいほどチャレンジのしがいがあると考える人にはやりがいがあるはず。また、成功させれば世間からの賞賛・評価も大きく、自身のバリューアップを図りたい人にとってはチャンスといえるでしょう。
ぜひ、ご自身の強みが生かせて、志向にマッチするステージを見つけてください。