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不況時に転職すべきか? プロが紐解く「ワンランク上」の転職術(前編)

世界的な経済の不況で、雇用に関するネガティブなキーワードが、連日メディアを賑わせています。転職市場も必ずしも活況とは言えない昨今、リストラや給与・待遇の低下、先行き不透明な経営状況など、転職を考えるシーンがますます増えてきていますが、この不況下での上手な転職ポイントとは何なのでしょうか?リクルートエージェントでは、転職支援のプロの視点から二回に分けて、「不況時に転職すべきか?」というテーマで、この時代を勝ち抜くための「ワンランク上」の転職術を紹介していきます。

INDEX転職の難しさを物語る、不況時の「求人件数」と「求職者」の関係不況時にも確実に存在する、積極採用企業 視野を広げることで実現する、不況時でもワンランク上の転職術

転職の難しさを物語る、不況時の「求人件数」と「求職者」の関係

不況時の転職マーケットでは
急激な求職者数の増加と、求人数の減少が顕著に現れる。

厚生労働省が、平成21年2月27日付で発表した「一般職業紹介状況」を見ると、平成20年1月には、約200万人あった有効求人数が、1年後には約160万人まで落ち込んでおり、急激に減少しています。それに対して、月間有効求職者数は、ここ1年で、40万人増と増加の一途を辿っています。不況の影響から、企業は積極的な人材採用を控えている半面、求職者は増加傾向にあることから、急激な求人の減少と求職者の増加が、不況時の転職マーケットの特徴ということができます。

求人倍率の増加で、転職の難易度が上昇。
転職の仕方には工夫が必要。

求人の減少と求職者の増加は、求人倍率の上昇という現象を生み出します。つまり、不況時の転職には、通常時よりも少ない求人数を賭けて、多くのライバルとの戦いを強いられる転職活動をしなければならないということです。実際、1人当たりの応募社数も、05年は9.7社だったのが08年11月調査では12.49社と大きく増えています(弊社調べ)。競争の激しい中、安易な転職はお薦めできません。また、もし転職活動をする場合でも、通常時よりも多くの企業に応募したり、スケジュールを先延ばしせずスピーディーな転職活動を行うなどの工夫が必要になってきます。

求人、求職者及び求人倍率の推移

資料出所:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」について(2009年1月分)

不況時にも確実に存在する、積極採用企業

求人数が減少傾向の中で
積極的な採用をしている企業の存在。

リクルートエージェントに寄せられている求人の職種分布

2008年2月時点

では、不況時には転職をしないほうが良いかというと、必ずしもそんなことはありません。なぜならば、不況時にも積極的な人材採用を行っている企業は存在するからです。右の図のように、IT・通信系技術職や営業職は、通常時と変わらないか、多く人材を募っています。つまり、マーケットの状況や、業界ニーズを冷静に分析すれば、納得のいく転職も可能だということです。ただし、不況下で「ワンランク上」の転職をするには、不況時ならではの、求人の動向をつかむ必要があります。

不況時に積極採用をするのは、将来の有望企業の可能性あり。
次の好景気とステップアップを視野に、集中的に優秀な人材の獲得を狙う。

不況時に積極採用をし、その後成長した業界と企業例

1992-1994 平成不況

CVSチェーン、医薬・医療が積極採用

セブンイレブンジャパン、am/pmジャパン、ローソン、サークルKサンクス、ファイザー、武田薬品、バイエルホールディングス、万有製薬、塩野義製薬

1998-1999 アジア通貨危機

中堅IT、eコマース、人材業界が積極採用

ソフトバンク、楽天、サイバーエージェント、スタッフサービス、en、インテリジェンス

2001-2002 米国テロ不況

流通ベンチャー、サービスベンチャーが積極採用

スターバックスコーヒージャパン、タリーズコーヒージャパン、ゼンショー、松屋フーズ、カクヤス、オフィスデポジャパン、フェデックス キンコーズ・ジャパン

2008年リクルートエージェント調べ

不況時に積極採用をする企業には、ある特徴が見られます。例えば、1997年から99年のアジア通貨危機時には、銀行や金融機関が連続して破綻し、それが他業界の大手企業にも影響を及ぼしたことから、転職マーケットでも、大企業への信頼感が急激に降下しました。入れ替わるように、中堅のIT企業や、e-コマースサービス、人材サービスなど、後の新産業の旗手となった企業たちが、猛烈な人事採用を行いました。不況時とは、「産業の世代交代」を促す時期であり、次の産業の担い手となる将来の有望企業が、転職マーケットに流れ出た求職者の中から、優秀な人材を大量に採用し、次のステップアップを見据える時期でもあるのです。つまり、不況時に積極採用をする企業は、将来の有望企業であり、リーディングカンパニーである可能性を秘めているということが言えるのです。

視野を広げることで実現する、不況時でもワンランク上の転職術

単に優秀な人材が求められるのではなく、
企業は成長過程に合わせた人材を求めている。

不況時は、将来の有望企業への転職の大きなチャンスです。だからといって、単に企業の成長性を見極めるだけでは十分とは言えません。企業は成長過程によっても求める人材タイプが異なるからです。下の図は、リクルートエージェント独自のノウハウの元に定義付けをした、企業の成長過程におけるカテゴリー分類と、それぞれにおいて企業が求める人物像を整理したものです。「草創期」「拡大期」「多様期」「新生期」、この4つのカテゴリーにおいて、同じ企業の成長過程でも、求める人物が全く違うことが分かります。つまり、自分の能力や資質が、企業の成長過程における、どのカテゴリーで求められているのかを分析し、入社後に、どのように活躍するかというビジョンを描ければ、不況時にワンランク上の転職が、より実現可能なものとなるのです。

企業の将来を形作るうえでの、ビジョンや夢を描き、体系化することのできる、起業家に近い資質が求められます。

主要サービスの開発やセールスの仕組みづくりができる、企業に推進力を与える人物が求められます。

蓄積されたデータを分析し、主要サービスの多様化・応用化の中心となる、マーケティング能力のある人物が求められます。

成功の土台を元に、大企業に成長するための変革をもたらすことのできる人物が必要とされます。

2008年リクルートエージェント調べ

不況時には不況時なりの転職がある。
視野を広く持てば、人とは違う転職チャンスがある。

土光 敏夫氏(故人 元石川島播磨重工業社長)、稲盛 和夫氏(京セラ名誉会長)、鈴木 敏文氏(セブン&アイ・ホールディングス会長)。この3人には大きな共通点があります。それは、大不況時に、新興産業の企業へと就職をされたということ。そして、もうひとつの共通点は、各人とも、決してその企業を、就職の第一志望にはしていなかった点です。転職は人生の大きなターニングポイント。不況時であれば尚のことです。当然、憧れの企業や安定を求め、大手企業や有名企業への転職を考えがちになるもの。しかし、不況時だからこそ、今まで転職を考えもしなかった企業へも視野を広げ、様々な角度から自分の価値を追及した転職が必要です。それがあなたの思いもしなかった大きな成功へとつながる、ワンランク上の転職を実現するためのチャンスを生み出すのです。

次回はより実践的な、成長企業の見極め方、転職の成功術を具体的にご紹介します。

キャリアアドバイザーが分析 不況時のワンランク上の転職術
不況時は求人が減り、転職者が増えることで競争率が上がるのは事実。 安易な転職をすることは、お薦めできません。

不況時には、企業の経営事情や給与・待遇の低下により、転職を考える人が多くなりますが、それに反比例する形で求人数が減るのも事実。競争率の高い転職活動を強いられることやマーケット動向を考慮せず安易な転職をして、転職前よりも大きな不満を抱えるというケースもあります。どうしても転職せざるを得ない事情があっても、それを1つのきっかけとして、何を目的に転職するのか?を明確にしましょう。不況時であっても目的のない転職は基本的にお薦めできません。

不況時に積極採用をしている企業は、確実に存在します。 成長の過程にいる企業は、流出する優秀な人材の獲得を狙っています。

不況時の転職マーケットは、求職者が増加するため、企業から見ると普段出会いにくい優秀な人材を獲得する確率も増えるわけです。不況に手をこまねいている企業をよそに、次代の産業を担う成長過程の企業は、次の好景気やステップアップを見据えて、積極採用を敢行するのが不況時の転職マーケットの特徴です。リクルートエージェントでは、豊富な求人数とデータベースを元に、成長過程にいる有望企業を紹介することができます。

不況時は、次の好景気の勝ち組企業に出会えるチャンス。 視野を広げた転職活動が大きなキャリアアップを生むこともあります。

現在の世相を受けて転職を考える人の中には、かねてからの憧れの企業や、安定を求めた大手企業への転職を目指す人が多く存在します。しかし、元々求人倍率の高い企業への不況時の転職は、難易度がより一層高くなり、相応の覚悟が必要となるもの。リクルートエージェントでは、志望している企業だけでなく、この時期だからこそチャンスがある、あなたに合った優良企業への転職を目指すという、視野を広げた転職活動をお薦めしています。

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