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桃田 健史(ジャーナリスト)
ダイヤモンド・オンライン 2009年7月23日掲載

トヨタも拝む“水素の神様”が激白!「エコカーの本命は燃料電池車だ」

2010年2月4日

Q) 「HYDROGENIUS」での、代表的な研究成果は何か?

A) 「水素脆化(ぜいか)/水素の影響による材料の損傷」に関してだ。これは50年前から確認されてきたが、関連する研究がほとんど行われていなかった。そのため、「水素脆化」は、ミステリーとか、亡霊のように、捉えられてきた。だから水素関連製品の設計者は、部品を作るのが怖くてしようがなかった。これまでは、壊れた部品を見て、その対処法を考えていただけだった。

水素が材料のなかにどれだけ混入したのか、研究者が発表したデータに、それが盛り込まれていなかった。つまり(製品化された場合)、そのデータの条件で使用した場合、5年後、10年後、15年後、水素が材料内に入ると、その材料がどのくらいの寿命になるのか、分かっていなかった。

「HYDROGENIUS」では、精密な観察を、水素研究以前で確立していた技術を応用して、水素研究に取り入れた。100MPA(気圧)のチャンバー(密閉容器)内で試験片を入れて実験している。

また、興味深い発見としては、試験片への疲労試験での荷重をかける頻度による「水素脆化」の変化だ。通常は1分間に数百回や1000回など、短時間に回数を多くしてデータをとっていた。だが、その頻度を、例えば10分回に1回にすると、最終データが全然違う。材料のなかに水素が中に入ったら、その間に移動する時間が大事なのだ。

Q) では、燃料電池車の普及が、当初予定より進んでいない理由は何か?

A) 2つ問題がある。それは、車両が搭載している高圧水素タンクと、インフラとして水素ステーションでの高圧水素タンクを含む構成品についてだ。

■筆者注:誠に残念ながら、この部分の詳細は、オフレコ。関係各位への配慮から現時点で記事化することは、燃料電池車の普及促進にプラス効果を生まないと考える。ただひとつだけ筆者が言えることは、問題点は「コスト」であること。そこに技術的に飛び越えなければならない高いハードルはない。問題の本質は、いかにも日本的な「技術外」にある。つまり、この問題が解決されれば、燃料電池車とインフラのコストは劇的に下がり、普及速度が加速する。このことを、トヨタ、ホンダ、日産など燃料電池車開発に実は積極的な自動車メーカーは認識している。また、この問題への解決の糸口は、すでに見つかっている。

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執筆者プロフィール

桃田 健史(ジャーナリスト)

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中

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