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桃田 健史(ジャーナリスト)
ダイヤモンド・オンライン 2009年7月23日掲載

トヨタも拝む“水素の神様”が激白!「エコカーの本命は燃料電池車だ」

2010年2月4日

Q=筆者) 次世代車について現在、EV(電気自動車)が本命視される報道が多い。燃料電池車の側から見て、こうした動きをどう見ているか。

A=村上副学長) 様々な立場の人がそれぞれの主張をするのは理解出来る。だが実は、蓄電池をやっている人は理論限界を知っている。現状のEVでは、エアコンなどをつけて走れば、巡航距離はかなり下がる。それがセダンタイプ(=一般乗用車)になれば蓄電池の搭載重量が上がる。

そうしたなかで、トラックやバス(のEV化)は、あり得ない。

Q) だが、EVと燃料電池車の共存共栄は可能だと思うが?

A) 自動車会社もそういう絵を描いており、EVと燃料電池車は(都市内移動でEV、都市間移動で燃料電池車という)「すみ分け」が可能だと思う。ただ、EVが(代替燃料問題の)全てを解決するとなると、国内での約7000万台分の自動車用の電気が足りない。

Q) 燃料電池の燃料は水素だが、水素を直接燃焼させる水素自動車の可能性はどうか?

A) その可能性はない。水素自動車のエネルギー効率(資源採掘から車を走行させるまでに要するエネルギーの効率)は約9%。これはSLなど蒸気機関の5~8%に近い、低い値だ。(ガソリン自動車:15~20%、燃料電池車:30~40%)。最も大切なことは、(燃料を)燃やすことは意味がない、ということだ。

A) 燃やすことは意味ないとは? 具体的に説明して欲しい。

Q) すべては、「熱力学の第2法則」に起因している。

・熱力学の第1法則:エネルギー保存の法則
   エネルギーは形態を変えても、量は不変。

・熱力学の第2法則:エントロピー増大の法則
   熱は常に高温媒体から低温媒体に移動。自然現象は不可逆。

これは、ジェームスワットが発明した蒸気機関、またはカルノー等まで歴史は遡るが…。

第1法則は、電気、位置などのエネルギー保存なので、理解しやすい。

問題は、第2法則だ。あまりにも、身近な現象なので、皆が疑問をもたない。例えば、風呂桶にお湯があって、その中間に仕切りを作って水を入れる。仕切りを取れば、お湯と水が混ざって中間の温度になる。つまり、熱は高温媒体から低温媒体への移るのだ。自然界では、これこそが恐るべき法則。この法則から人類は逃れられない。

燃料を燃やすエンジンの場合、燃料がガソリンでも水素でも、エンジンが発生する熱からエネルギーを取る。熱機関は膨張と圧縮(温度下がる)を繰り返して動力を作っている。つまり、一般に熱機関の効率は極めて低い(=エネルギーの大部分を捨てている)。

燃料電池の場合、燃料を燃やさないので、この第2法則から逃れ、高効率を実現出来る。 (理論効率は83%)。

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執筆者プロフィール

桃田 健史(ジャーナリスト)

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中

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