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桃田 健史(ジャーナリスト)
ダイヤモンド・オンライン 2009年6月23日掲載

日本の電気自動車コア技術が流出する!?アメリカで始まった電池バブルの凄み

2010年1月28日

まるで電池バブルの様相!

電池業界はいま、バブル期にある。その理由とは、DOE(Department of Energy/米エネルギー省)、USABC(The United States Advanced Battery Consortium)などからの助成金に対して、世界各国の電池メーカー、電池素材メーカーが群がっているからだ。さらに、そこにアメリカを中心とした投資マネーが注ぎ込まれている。現在の米国蓄電池業界について筆者は、1995年前後に各種IT・ネット企業が誕生したころの雰囲気を、肌で感じる。

「近場の商売」を目指し量産化への転換期

一般的にリチウムイオン二次電池の場合、その構成部は、正極材、負極材、セパレーター、電解質に分類される。例年この会議では、そうした各構成部に対する新素材や、新発想の次世代蓄電池構想などが数多く発表される。

だが今年は例年とは違っていた。参加した日米の各種素材メーカー関係者の意見を総合すると、今年はほとんどと言ってよいほど目新しい発表がなかった。これは、自動車用リチウムイオン二次電池が、「基礎研究から商用量産」への転換期を迎えたことを意味する。

今後も当然、革新的な技術に対する基礎研究は継続されるが、まずは「近場の商売」が優先され始めたのだ。世界各国で、EV、PHEVの普及計画が進むなか、オバマ政権の「2015年までに米国PHEV市場を100万台規模にする」とした方針こそが、明確なる「近場の商売」である。そのため、今年の各社発表で目立ったのは(1)製造コスト管理、(2)安全性、(3)保証、についてだった。

政府マネーで米ベンチャーの設備投資は活発化

量産体制が進むのであれば、設備投資が活発になるはず。

アメリカのリチウムイオン二次電池ベンチャーの筆頭、A123システムズは今回、ミシガン州内に建設予定の大規模な生産施設完成予想図を公開した。これまで、リチウムイオン二次電池業界の常識では、「米国内生産はペイしない」とされてきた。A123システムズもこれまで、韓国、中国での生産を行ってきた。米ベンチャーで、唯一米国生産を行っているEnerDel(インディアナ州)関係者はこう漏らす。「A123(システムズ)はこれまで、われわれの(米国での)生産体制について、『理解不能だ』と一蹴してきた。それがDOEマネーの影響で一変した」。

A123システムズを含めて米系電池ベンチャーには、多方面からの新規取引の問い合わせがあり、増産体制=設備投資拡大路線にある。また、日系大手電池メーカー関係者も「日系の量産車への対応が優先。現在の生産能力では、新規注文の問い合わせを断っている状況」と言い、設備投資については「拡大するのが当然だ」という。

だが、日系の集電体メーカー関係者はこう言う。「弊社は現在、A123システムズの韓国、中国工場に対して日本から製品を供給している。今後、ミシガンでの生産に合わせた供給体制を敷く予定だ。しかし、クライスラーの事業計画について、今後注視していくことが必要だ」。

コンサバなトヨタとホンダ

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執筆者プロフィール

桃田 健史(ジャーナリスト)

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中

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