先行きが心配な小康状態 (2012年1月12日更新)
現在発表されている最新データである11月の経済指標を見ると、鉱工業生産は落ち込んだものの、有効求人倍率は小幅ながら改善しているといった具合に、プラス・マイナス両方の動きが混在している。生産の落ち込みは主としてタイの洪水によるもので、需要の落ち込みではない。また、阪神大震災に較べるとかなり遅れたテンポだが、東日本大震災の復興需要が東北地方を中心に表れている。
年が替わって、今年の経済見通しに関しては、震災復興需要の上積みなどを主要因に実質成長率で2%に近い近年の日本としては割合高めの数字を予想する向きが多い。年頭の企業経営者の業績見通しも、希望的な目標を含むとはいえ強気なものが多い。3月期の決算数字が現在の予想から上方修正される企業がかなりありそうだ。ちなみに、米国の成長率見通しは1%台、欧州は0~1%程度と、今年は先進国の中では、僅差ながら日本の成長見通しが最も高い。
しかし、年初に為替レートのユーロ安が進んだことにも表れているように、欧州の債務問題は深刻さを増しており、今後日本も含む世界の景気への悪影響が具体化してくることが懸念される。また、不動産価格に下落傾向が見えてきた中国経済の今後にも注意が要る。
先般の北朝鮮の指導者交代に加えて、今年は、フランス、ロシア、中国、アメリカ、韓国など日本に関係の深い国々で政権トップの交代や選挙が控えていて、政治的な不安定要因の影響にも気配りが必要だ。