これまで各界著名人のインタビューを掲載してきたこの「階段を一歩上るとき」。今回は総集編として、彼らが転機を迎えたとき、どのような思考や行動によって成功への一歩を踏み出したのか、その原動力を探っていきます。
-

- 鈴木おさむさん
(2009年5月掲載) - 「恐れずに一歩を踏み出す」ことに加え、「来たチャンスを活かすために全力で努力する」大切さも教えてくれた。
大事なのは「企て」を「実行」に移すこと
―勇気を持った行動力でキャリアを広げた鈴木おさむさん「やりたいことができない」「もっとキャリアアップしたい」―そうした理由から転職を考えていても、新天地に立ち向かうことを不安に感じ、なかなか実行に移せないという人は多くいる。そんな人たちには、鈴木おさむさんの言葉を知ってもらいたい。
放送作家として数々の人気TV番組を手がけている超売れっ子作家の鈴木さんの一歩は、「リスクを恐れずに行動に移す」という考えに基づいて踏み出されてきた。それは、彼が初めて小説を書いたときのエピソードによく表れている。
――もともと僕は、「いつか小説を書いてみたいなあ」って思っていました。でも、忙しいのもあって、なかなか実現できずにいたんです。そうこうしているうちに、僕と同い年のお笑いコンビ品川庄司の品川祐くんが『ドロップ』という小説を書いて、それが大ヒットした。
僕は、なんとなく悔しい気持ちを持ちつつ、彼に賛辞を送るべく、ある日、いっしょにお酒を飲みにいったんです。すると彼、その場で、こんなことを言うんですね。
「みんな、小説は面白かったって言ってくれている。それはとても嬉しい。でも、その後きまって『実は時間があれば、オレも小説を書きたいって思ってんだよね』って付け加えてくる。じゃあ、とやかくいわずに一回やってみろよ!って思ってしまう」って。
彼はライブのネタを書いたりテレビに出たり、先輩との付き合いで毎晩お酒も飲んでいて、そういう忙しいなかで小説を書き上げていた。努力もせずにできることみたいに言ってほしくないっていう思いがあったみたいなんです。
そして、何より強烈だったのが、彼が最後にポツリと漏らしたこの言葉。「『やった』と『やろうと思った』との間には、ものすごく大きな河が流れているんだよね」……。
それを聞いて、僕は本当に自分のことが恥ずかしくなったんです。品川くんに嫉妬している場合じゃない、とにかく行動あるべしだ、って。この出来事は自分の原点ですね。それを機に、変な言い訳は口にせず、根性を据えて小説執筆に取りかかることを決めたんです。(インタビューより一部抜粋)
このときに執筆された『ハンサム★スーツ』は、後に映画化やドラマ化されるなど、ベストセラーとなり、鈴木さんのキャリアの幅を大きく広げることになった。"大事なのは「企て」を「実行」に移すこと"―事前のリサーチや、リスクについて熟考することはもちろん重要だが、それよりも大事なのは、勇気を持って行動すること。それができなければ壁を突破することはできない。現状に不満や不安を抱く人にとって、一歩を踏み出す力をくれる言葉ではないだろうか。
-

- 渡邊美樹さん
(2009年6月掲載) - 渡邊さんの言うように「自分自身と約束し、逆算してスケジュール」を作成することで目標が明確になるのだ。
価値観や人生観を明確にすることで、次の一歩が踏み出せる
―"日付の設定"と"信念の明確化"で夢を叶えた渡邊美樹さんワタミグループを牽引するカリスマ経営者・渡邊美樹さん。彼の夢へのアプローチの仕方は、鈴木おさむさんとはまた別の角度からのものだ。
――10歳のとき、父が経営していた映像制作会社を清算。その様子を目の当たりにした私は、「大人になったら父を超える強い社長になろう」と強く決意しました。これが、私が起業を意識した最初のきっかけです。
大学4年のとき、北半球一周のひとり旅に出ました。米国ニューヨークで、人種や宗教の壁を超え、様々な人々が集い、食事や音楽を楽しんでいるライブハウスに出会い、そこにいる人たちの素敵な笑顔に涙が出るほど感動しました。「私もこんな店をつくって、たくさんの人たちを幸せにしたい」。心の底から燃え上がるような思いに駆られ、「外食産業でいこう!」という結論を出し、その夢を確実なものにするために「24歳の4月1日に社長になる」と会社設立の日まで決めたのです。(インタビューより一部抜粋)
夢や目標が決まったら、達成までの日付を設定してそこへ向かっていく。自分へのルールを課すことで目標達成意識を高めるのだ。では、今、具体的な夢や目標を持つことができていない人はどうすればいいのか。そんな悩みに対しても、渡邊さんは明確なアドバイスを送ってくれている。
――今叶えたい夢がなければ、自分の中でそれが生まれるまでがむしゃらに働けばいいんです。ワタミの社員には「30歳までは仕事のこと以外は何も考えず、神様が応援したくなるくらいの努力をし続けろ」と言っています。そうしたら、きっと何かが掴めるはずですから。(インタビューより一部抜粋)
スタートとゴールの設定、そして、自分にとことん向き合って価値観・人生観をはっきりさせる。極めてシンプルなやり方だが、それこそが壁にぶつかった時に乗り越える原動力となるのだろう。
-

- FILE.04
- 米村でんじろう
- サイエンスプロデューサー
-

- FILE.05
- 坂東眞理子
- 昭和女子大学学長
-

- FILE.06
- 野口健
- アルピニスト
-

- 総集編
- 一歩を踏み出す原動力
-

- FILE.07
- 藤巻幸夫
- 株式会社藤巻兄弟社 代表取締役社長




