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- 埼玉県副知事に任命
初の地方行政に挑戦 - 女性副知事として白羽の矢が立つ。就任時に95人の埼玉県議員全員の自宅に挨拶回りをするように言われて愕然とするが、「慣れない県内をくまなく見て回れるチャンス」と前向きに捉えて実行。
創造性とはレパートリーと新しい仕事との融合
異動が多い職場では、本意でないとか、不向きと感じるポストもあてがわれます。やりたい仕事が回ってくるのは、3回に1回あるかないかくらい。むしろ私は「やりたい仕事ができたらラッキー」くらいの気構えで、与えられた仕事にベストを尽くすことを考えていました。
私の場合、48歳のときに、思いがけず埼玉県副知事に任命され、地方行政という全く未知の世界に出向することになりました。最初は「地方自治法も読んだことないんでしょ?」と言われましたが、馴染みがある青少年や婦人、高齢者問題といった分野に力を入れながら、少しずつ教えてもらってレパートリーを増やしていき、男女共同参画の進んだ県を目指して「世界女性未来会議」の開催や、女性職員たちの力を集結するネットワークづくりなど新しい試みにつなげていきました。
その後、女子大の発展に寄与してほしいとの依頼をいただき、2003年に昭和女子大学の理事となったのですが、このときが官僚から民間へと最も大きなキャリアの転機でした。それまではずっと、この事業は社会のためになるかという「大義名分」を最優先してきたのに、そんなことより大学が存続することが大事。実際に受験生が増えたという実績を出さなくてはなりません。価値観や文化が根本的に異なるんですよね。ですが、ここでもこれまで培ってきた自分の強みはどこかで活かせるはずだと考えていました。2009年に学長になってからは、新しい学科を新設したり、地域と連携して大学とは別のNPO法人をつくり、職員住宅を認証保育所にしてみたりと、公務員時代の子育て支援政策の知識という自分の強みとして活かして新しいものを生み出しています。
異動や出向などで仕事が変わると、強制的にレパートリーが増やされますよね。そういうときこそ、その人の創造性が試されると思うんです。新しい仕事と過去の経験やスキル、強みをいかに融合させるか。本当の創造性というのは、ゼロから何かを生み出すことではなく、そうやって過去に得たものの中から組み合わせて新しく創り出していくことではないでしょうか。
- 48
- 歳
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「書く」強みにこだわり続けてきたことで生まれたベストセラー
2006年に書いた34冊目の著書となる『女性の品格』が驚くほどベストセラーになって、たくさんの方に読んでもらうことができました。以前から、女性も社会で男性に負けずに勝ち組になろうといった風潮には反発を感じていたのです。みんながお金を儲けて、出世や権力を目指すわけじゃない。違った価値観を持ついろんな人たちが尊重されるのが、本当の意味でのダイバーシティです。目先のことで少し損をしたとしても、きちっと生きていくことの方が大事じゃないかとか、不完全なものでも愛おしんで育てていきましょうとか、そういう、人として当たり前に大切にすべきことを言いたかったのです。四半世紀もの間、いくら書いてもベストセラーにはほど遠くて、半ば諦めていたのですが、「書く」ことにこだわって努力を続けていれば、神様がご褒美をくださることがあるのだなと思いました(笑)。
これまでの自分の経験を振り返ってみて改めて思うのですが、20代は失敗を繰り返してもかまわないので、少しずつ「これが得意かも」という武器を見つけ、30代はそれを育てていく。そうやって自分の「コアになる強み」を仕込んでいく時期だと思います。「自分はこれならできる」ということが通用するようになるのは40代。また40代は、チームの責任者としてチームのメンバーを活躍させることも必要になってきます。それぞれの年齢によって期待されることも役割も違ってくるのです。私は20代が一番苦しいと思います。でも、若いときに、自分には何ができるのかと、試しては失敗することを繰り返すことが大切です。失敗しても諦めずに続けていくことで、未来は切り開けていくのだと思います。
「坂東眞理子」
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- 32歳
- 日本初の「婦人白書」を完成させる。発行後、出版依頼を受けるように
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- 34歳
- 英語の習得と女性の調査研究を目的に、ハーバード大学へ1年間留学
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- 48歳
- 埼玉県副知事に任命され、未知の世界だった地方行政に挑む
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- 56歳
- 34年間の公務員生活に終止符。埼玉県知事選に出馬後、昭和女子大学理事に
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- 60歳
- 34冊目の著書となる『女性の品格』が310万部のベストセラーになる

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『幸せの作法~働く女性に贈る61のヒント』
アスキー新書/780円(税込)『女性の品格』から3年。310万部超のヒットで「品格」ブームを巻き起こした、坂東さんの書き下ろし新刊『幸せの作法~働く女性に贈る61のヒント』。自分の手で幸せをつかむためにぜひ知っておきたい「作法」がまとめられています。幸福を考えるときに忘れてはならないのは、「幸福とは非常に主観的なものだ」ということ。そしてもうひとつ、「幸運」と「幸福」を勘違いしてはいけないということ。パートナー、仕事、家庭、充実した毎日。こうした幸福を掴み、自分の足で人生を歩くために。男女問わず、職業人すべてが心豊かに生きていくうえで参考になる言葉に満ちています。

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坂東眞理子Mariko Bando
1946年富山県生まれ、東京大学卒業後、総理府(現内閣府)入省。内閣総理大臣官房広報室から青少年対策本部の「青少年白書」執筆アシスタントを経て、婦人問題担当室(現男女共同参画局)設置と共に29歳で日本初の「婦人白書」を執筆。カナダとハーバード大学に留学後、総理府老人対策室などを経て、39歳で男女共同参画室長として手腕をふるう。49歳で埼玉県副知事に任命され、3年後には女性初の総領事として在豪州ブリスベンに本国領事に。56歳で埼玉県知事に出馬後、昭和女子大学理事、教授、副学長を経て、2009年より学長に。著書は40冊以上に渡り、『女性の品格』は300万部を超える大ベストセラーとなった。
- 取材後記
- 冒頭に記述したように、坂東さんは総理府に入省したばかりの頃、上級総合職の身でありながらもお茶汲みからスタートした。一見、下積み時代ならではの苦労話に思うかもしれないが、彼女自身は「とにかく就職できたことが嬉しかったから、まったく抵抗もなく、自分から喜んでやっていました」という。このように、自分に起こることを前向きに受け入れられる素直な人柄も、彼女が一つひとつの経験を強みに変えていくことができた一因なのかもしれない。▼実は取材当日、坂東さんは、前の予定が延びたために約束の時間よりも少し遅れて到着した。その分、我々のためにその後の予定をずらしてくれ、インタビュー中も真摯に受け答えをしてくれた。この一幕に象徴されるように、どんな状況であっても相手に対して誠意を持って接することができるからこそ、彼女は多くの人から必要とされ、そしてそれが今につながっているのだろうと感じた。
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- 米村でんじろう
- サイエンスプロデューサー
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- 坂東眞理子
- 昭和女子大学学長
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- 野口健
- アルピニスト
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- 総集編
- 一歩を踏み出す原動力
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- 藤巻幸夫
- 株式会社藤巻兄弟社 代表取締役社長
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毎回、著名な「あの人」の転機や人生哲学にアプローチします。お楽しみに!




