
上田惇生(立命館大学客員教授 ドラッカー学会代表)
ダイヤモンド・オンライン 2010年2月7日掲載
21世紀の諸問題は近代合理主義では解決できず 全体を見て本質を把握せよ
2011年3月24日
テクノロジストの条件
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)
「生まれ育った世界から別の世界へ移り住んできたかのような感さえする。17世紀の半ば以降350年にわたって、西洋はモダンと呼ばれる時代を生きてきた。19世紀にはその西洋のモダンが、全世界の哲学、政治、社会、科学、経済の規範となり秩序となった。だが今日、モダンはもはや現実ではない」(『テクノロジストの条件』)
モダンとは、近代合理主義のことである。まさに、世のすべての事象は論理の力によって解明できるとしたところから、近代は始まった。その近代が、まず西洋を支配し、やがて世界を支配した。
ところが、そのモダンが世界を覆い尽くしたと思われた20世紀の半ば、論理だけでは説明できない問題が急増し始めた。
いまや、環境問題、途上国問題、人口問題、教育問題など、21世紀が直面する問題の多くが、論理だけでは理解不能であり、解決不能である。
分解して解析するという作業に加え、知覚の力によって、全体を全体として把握しなければならなくなった。命あるものとして見なければならなくなった。
ドラッカーがこの変化に気がついたのが、今から半世紀前の1950年代半ばのことだった。
「われわれは一つの大きな転換期を生きている。昨日のものとなったモダンが、無力ながらも表現の手段、期待の基準、処理の道具として機能している。他方、新たなるポストモダンが、手段と道具を持ち合わせることなく、われわれの行動を事実上支配しつつある」(『テクノロジストの条件』)
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執筆者プロフィール
上田惇生(立命館大学客員教授 ドラッカー学会代表)
ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授、ドラッカー学会代表。1938年生まれ。1961年サウスジョージア大学経営学科留学、1964年慶應義塾大学経済学部卒。経団連会長秘書、国際経済部次長、広報部長、財団法人経済広報センター常務理事、ものつくり大学教授を経て、現職。







