
上田惇生(立命館大学客員教授 ドラッカー学会代表)
ダイヤモンド・オンライン 2009年9月15日掲載
意思決定は意見からスタートする。初めに意見を持つことを奨励せよ
2010年2月15日

「経営者の条件」
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)
「意思決定についての文献のほとんどが事実を探せという。だが、成果をあげる決定を行う者は、事実からスタートすることなどできないことを知っている。誰もが意見からスタートする」(『経営者の条件』)
ドラッカーは、意思決定が正しいものと間違ったものからの選択であることは稀だと言う。せいぜいのところ、かなり正しいものとおそらく間違っているものからの選択である。はるかに多いのは、一方が他方よりもたぶん正しいだろうとさえいえないような2つの行動からの選択だという。
最初から事実を探すことを求めるのは好ましいことではない。なぜなら誰もがするように、すでに決めている結論を裏づける事実を探すだけになるからである。
見つけたい事実を探せない者はいない。
意思決定も科学と同じように仮説が唯一の出発点である。われわれは仮説をどう扱うかを知っている。論ずべきものではなく、検証すべきものである。
事実と事実のぶつかり合いではない。意見と意見とのぶつかり合いである。それぞれの意見がそれぞれの事実を見ている。それぞれの事実を現実としている。
「初めに意見をもつことを奨励しなければならない。そして意見を表明する者に対しては、事実による検証を求めなければならない。仮説の有効性を検証するには、何を知らなければならないか、意見が有効であるためには事実はどうでなければならないかを問わなければならない」(『経営者の条件』)
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執筆者プロフィール
上田惇生(立命館大学客員教授 ドラッカー学会代表)
ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授、ドラッカー学会代表。1938年生まれ。1961年サウスジョージア大学経営学科留学、1964年慶應義塾大学経済学部卒。経団連会長秘書、国際経済部次長、広報部長、財団法人経済広報センター常務理事、ものつくり大学教授を経て、現職。







