転職ケーススタディ
成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介いたします。
「安定性」への認識を変え、希望に合う会社を発見
宮本さん(31歳) の転職ケース
日用品メーカー 製造技術 → 環境関連装置メーカー 製造技術
年収 : 400万円 → 460万円
- 製造技術として開発業務に関わり続けたい
- 安定した大手企業で働きたい
「工場移転」を機に転職を決意。安定性を求めて、大手企業を希望
日用品メーカーに製造技術職として勤務していました。転職に踏み切ったきっかけは「転勤」です。昨今の不況で業績が厳しく、生産拠点を移転することになったんです。私にも転勤辞令が出たのですが、どうやら今後、保守・メンテナンス業務が中心になるらしく…。私は、転勤自体は構わないのですが、これまで開発を中心に手がけてきたので、保守中心にまわることには抵抗を感じたんです。そこでリクルートエージェントに相談し、「製造技術職として開発業務を手がけたい」「大手企業がいい」という希望を伝えました。
CA(キャリアアドバイザー)さんによると、私の強みである「シーケンス」「PLC」などの経験は、今の景況下でもニーズが高く、求人は比較的豊富とのことでした。ただし、中小企業が中心。求人情報一覧を見せていただいたところ、私が社名を知っている企業は1社もありませんでした。
「しばらく待てば大手企業の求人が出てくるか?」とCAさんにたずねたところ、「当面、大手企業の求人が出てくる可能性は低い」「今の会社で保守業務をしながら待つとなると、開発経験にブランクができてしまうため、次の転職に不利になるかもしれない」とのこと。ためらっていると、CAさんから「大手を希望するのはなぜですか?」と聞かれました。
「やはり安定性していて、安心感があるからです」
「けれど、宮本さんが今勤務されている企業も業界では大手といえる規模で、知名度もありますよね。それでも生産拠点の統廃合が起きています。今は、大手だからといって安定が約束される環境ではありません。むしろ、小規模でも市場優位性を持っている会社のほうが安定している場合もあるのではないでしょうか」
確かにそういう捉え方もあるな、と思い、求人企業1社1社をじっくり見てみることにしました。
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「安定とは何か」を要素分解してみる
「安定した会社で働きたい」→「大手企業に行きたい」という発想で転職活動をする方が大勢いらっしゃいます。しかし、大手でも業績の変動により、給与カット、リストラ、事業部門閉鎖、異動、転勤など、従業員の立場も変動することになり、必ずしも安定しているとはいえません。一方、規模が小さくても安定的な収益を挙げ続け、異動や転勤がない会社も存在します。
自分にとっての「安定」「安心」とは何なのかを考え、それを実現できるのはどんな企業かを探ってみてください。
知名度が低くても強い会社に出会い、「長く働ける」という期待を持てた

希望勤務地の範囲内にあり、その中でも規模が大きめの企業を、まず10数社紹介していただきました。業種はさまざまです。正直、最初にざっと見たところでは、あまりピンときませんでした。しかし、会社の沿革や実績を見ていくと、知名度は低くても特定分野で圧倒的なシェアを握っている会社もあり、安心感を持って長く働けるイメージがわいてきました。
中でも、興味を持ったのが、環境関連装置を手がけるA社です。これから間違いなく市場が伸びていく分野。しかも、技術アウトソーシングを行っており、顧客が限定されていません。つまり、市況の変化に応じて、その時々で景気のいい分野にシフトし、収益を維持しているわけです。これなら、私が求めている「安定性」にマッチしていると感じました。
「本命企業」に出会い、面接対策にも力が入りました。というのも、A社に応募する前、試しに数社に応募していたんですが、全て面接で落ちてしまっていたんです。CAさんから、「企業研究を十分行った上で面接に臨んでください」と言われてはいたのですが、あまり身が入っていなかったんですね。自分のスキルに自信を持っていたため、「とりあえず行ってみて話を聞いてみよう」という感覚でした。面接後、企業からの評価をCAさんに聞いたのですが、「積極性や意欲が感じられない」ということで、見送られてしまったのだそうです。スキルが足りているだけでは通用しないことを痛感しました。
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スキルに自信があっても「受け身姿勢」は禁物
雇用市場でのニーズが高く、求人が比較的豊富な職種の方の場合、自分の経験・スキルに自信があると、「試しに話を聞いてみる」という感覚で面接を受けるケースが見られます。しかし、面接を受けてみて「この会社に入りたい」と思っても、企業側から採用を見送られてしまうことがほとんど。企業側としては、いくらスキルが高くても入社に対する積極姿勢や意欲が見られなければ、期待できないと判断するのです。相手企業に対する関心が高くない段階でも、企業研究と自己アピールの準備は欠かさないでください。
企業研究をふまえて具体的に自己アピール。「本気度」が伝わった
A社に関する情報はもちろん、関連業界の市場動向などいろいろと研究することで、興味が深まっていきました。と同時に、入社したいという気持ちも高まりました。面接の場では、企業研究で得た情報をベースに、自分の経験がどう貢献できそうかを具体的にアピールすることができたと思います。「本気度」がちゃんと相手に伝わったようで、無事採用となりました。
技術を生かせるだけでなく、A社ではマネジメント経験も積むことができそうです。早くリーダーのポジションに就けるように精一杯努力していくつもりです。
機械/電気/化学系全般 担当
永田 慶
担当キャリアアドバイザーより
宮本さんが、もし「大手企業」にこだわって求人情報を探し続けていたとしたら、何カ月~何年たっても転職を実現できなかったかもしれません。しかし、知名度や規模といった条件の枠を外し、「本当の安定とは何か」を考えたことで、自分が求めている環境に出会われました。「希望する転職を実現するなら、こういう業界(企業)しかない」と思い込み、その他の可能性を見過ごしている方は多数いらっしゃいます。少し視点を変え、視野を広げることで、新しい選択肢が見つかることもあります。今よりも可能性を広げるために、私たちキャリアアドバイザーの情報、アドバイスもぜひ参考にしてください。
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