2010年3月25日
第六回 <ほめ殺しに注意>
面接メカニズム解明クイズ(6)

相手に気に入られたいとき、ついお世辞を連発してしまい、その結果、逆に信用されないことになる。時折やってしまう失敗です。「面接」だと気合が入りすぎて、けっこう誰もがこのワナに陥りがち。この失敗を防ぐのが、今回のテーマです。
あなたは今、付き合っている恋人の両親と初めて挨拶しているところです。両親から自分の子供(=恋人)についてどう思っているか、質問が出ました。さて、以下のどの答えをしますか?
両親はあなたの相手ととても仲が良く、いいところも悪いところも良く知っています。無理解な人たちではないので、ざっくばらんに話ができる状況。さて、どの答えを選びます?
- (1) 優しい人だ。小さな子供が寂しそうにしていると、いつも声かける。重い荷物を持った年寄りに近づき、必ず荷物を持ってあげる。妊婦さんのベビーカーもバスの乗降時にわざわざ降りて持ち上げていた。
- (2) 優しい人だ。多分、相手の立場に立って考えられることが根本にあるのだろう。私と意見が異なる時も、少し私が不機嫌になると、しばらくして、「あの時、君はこんな風に考えたの?」と反省してくれる。
- (3) 優しい人だ。子供たちや高齢の方にもいつも思いやりがあり、私の気持ちも慮ってくれる。その優しさゆえか、悩み傷つきがちでもある。私は明るさと強さに自信がある。二人で互いにカバーしていきたい。
長所だけでは物足りない

もし、本当に真剣に交際していたら、恋人の良いところも悪いところも知っているはずでしょう。自分だけではなく、恋人の両親も同じです。仲の良い親子であれば、互いの長所も短所も十分に知り合っているはずなのです。
とすると、(1)(2)のように、長所だけを話していたら、「この人は、洞察力がないのか」と低い評価になるか、もしくは、「親の前だから良いことばかりいってるのか、本音が見えないな」と不審に思われることになるはずです。本当に真剣なら、当然、相手の悪いところも目に入る。それをうまく伝えることが、コミュニケーションには必要でしょう。
では、うまく伝える方法とは? ここが考えられないから、つい、欠点はあえて言わない、ということになるのです。答えは、別に難しいことではありません。
(3)の人はどう話しているか―自分ならその欠点を補っていける、ということを論理的に説明している。それだけでいいのです。そう、欠点に気づき、それを補える、ということはどちらもすばらしいことだからです。
「相手の欠点」は軽々しく語ってはダメ

どんな企業も、「もっとここをどうにかしたい」「それさえ上手くいけば、業績が急激に伸びる」そんなポイントを持っているのです。企業研究を行うなら、そこに迫るまでやりましょう。そんな「欠点」が見つけられたら、あなたは、他の応募者よりも数段リードしていることになります。
そして、その欠点を、自分ならどう補えるか。これを考えてみてください。
ただし、今応募している企業は、事例のように「長く付き合ってきた」恋人ではありません。情報が薄いため、見つけた欠点が「間違っている」可能性も多大にあります。もし、間違っている場合、それは相当なマイナス点となってしまう。この危険性が大きいですね。以下のようなソースを使って、十分に念入りに情報収集をしてみてください。
- 企業ホームページ
- 会社四季報・就職四季報
- Yahoo!ファイナンスなど、インターネット上にある公的情報
- 週刊誌・雑誌・新聞の記事検索
- 書籍・文献・論文検索(4、5は大学図書館で)
- 2ちゃんねる、Yahoo!知恵袋、みんなの就職活動日記などのWebコミュニティ情報
- OB訪問
おうおうにして、マスコミ情報や2ちゃんねるなどは間違いも多いものです。裏を取るために、7のOB訪問を活用することを忘れないでください。
![[まとめ] 企業の面接官は、自社のことを非常によく知っています。応募者が、自社の「長所だけ」を語ると、物足りなさを感じることに必ずなります。](imgs/img_column06_summary.jpg)
- 執筆者プロフィール
- 海老原嗣生
漫画エンゼルバンクのカリスマ転職代理人「海老沢康生」のモデル。人事・雇用ジャーナリスト。企業の採用活動の裏側を描いた「学歴の耐えられない軽さ」(朝日新聞出版)は、就活学生必読の書。
この連載がプレジデント社より単行本として3/15発売されます!
詳細は http://www.nitchmo.biz/newbooks2.html




