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2010年3月11日

第四回 <大成功する経営者を見分ける>

面接メカニズム解明クイズ(4)

面接メカニズム解明クイズ

今回は、「良い経営者」の見分け方、です。

あなたは今、いずれも30代の若手社長が経営する業績絶好調のベンチャー企業に応募しています。以下のどの企業が、今後一番ビジネスで成功すると思いますか?

従業員数100名というと、まだまだ社長自身で社員全員の顔がわかり、創業時メンバーも多いため、やっかいなトラブルが起きても、みな各自の経験で、けっこうテキパキさばいていける大きさです。

  1. (1) 「うちの社長は、とにかくアイデアマンだ。次から次へとアイデアが浮かび、着実に実行していく。ほんと、天才だね」と人事がいうA社。
  2. (2) 「うちの社長は、お金に強い。銀行対策や上場計画など、とにかく、拡大に向けた金策に抜かりがない。資金繰りの鬼だね」と人事がいうB社。
  3. (3) 「うちの社長、最近目立ってないな。財務は一緒に立ち上げた側近に任せ、事業はスカウトした大手出身者がやってる。」と人事が言うC社。

ビジネスや経営を間近で見続けた経験がない人は、ABC社のどこをどう見ればいいか、悩むことになります。消去法で言うと、とりえのない社長がいるC社が一番危なそうですね。ところが。予想に反して、大化けしていくのは、C社である場合が多いのです。

アイデアも体力も必ず衰えが来る

アイデアも体力も必ず衰えが来る

A社のようなあふれるばかりのアイデアを持つ経営者がいる企業。次々に事業成功し、会社は大きくなっていく。しかし、このタイプの企業は、中成功で終わることが多く、大化けしても、たいてい短命になるのです。典型的な例が、ライブドアの堀江貴史さんでしょう。なぜか。理由は二つ。

一つは、企業は大きくなっていくと、天才一人で経営できない段階が来るのです。アイデアマンの社長は、アイデア創造と、それを事業にすることには熱意がありますが、組織経営に関しては正直全く興味がない場合が多いのですね。そうして、経営に行き詰っていく。

もう一つ理由があります。それは、アイデアには限界がある、ということ。30代も後半になると、「瞬発的に発揮されるものすごい力」は、徐々に衰えだします。自分の知力も体力も衰えを見せ、結果、成功を勝ち取れなくなっていく。そういう行く末が見えるのです。

整理屋か、バブル紳士か、の両極端なBタイプ

整理屋か、バブル紳士か、の両極端なBタイプ

「資金繰りに強い経営者」は、全く異なる2つのタイプにわかれ、そのいずれもが、早期で失敗をしていきます。

一人は、想像通り、保守的経営をする人。つまり、無謀な借金を作らないタイプ。彼らは、創業者が放漫経営をしたため、側近である自分が代わって社長になった、というケースが多いでしょう。創業者に代わって彼がやったことは「無駄な出費を削ること(ターン・アラウンドといいます)」がその全て。何も「攻め」が出来ず伸び悩むことになります。

もう一つの資金繰りに強い経営者は、保守経営とは縁遠いタイプ。放漫経営、それも、全く無計画・無思慮な経営を行っているような会社です。なぜ、そんな人が「資金繰りに強い」のか?彼らは、銀行や株主に「金を無心する」ことに長けているのです。

彼らは、銀行や投資家などから、大金を集めたことを自慢します。よくよく聞いていると、計画にほころびが見えるので、そこを質問すると、平気の平左でこう答えるのです。

「銀行が●億円も出してくれているんだ。それが全てだよ」

こうした経営者は、バブルが起きると、が必ず生まれてくる。よく注意のほどを。

「丸投げ」と「権限委譲」の差は?

「丸投げ」と「権限委譲」の差は?

最後にC社です。デキる部下にそれぞれのセクションを託す、という経営手法です。

ともすれば、経営者の「個人商店」から脱せない中で、いち早く、組織経営を標榜している。これなら、確かに有望です。しかし、従業員100名でもう権限委譲では、少し早すぎるかもしれませんね。ひょっとすると、「放任経営」いや「丸投げ経営」だったりも・・・。

さて、その違いを見分けるのは、それほど難しいことではありません。

社員でも役員でも誰でもいい。面接で会った企業の人たちの話をよく聞き、「社長のことが好きか」「社長のことを信頼しているか」見つめてみて下さい。「丸投げ経営」の場合、彼らの顔は必ず曇るのです。一方、健全な組織経営へ脱皮している会社ならば、本物の笑顔と出会えるでしょう。

[まとめ] 大成功するベンチャーの社長とは経営や人事・組織に興味がある人 つまり、アイデアフルな活動家や資金繰り上手

執筆者プロフィール
海老原嗣生

漫画エンゼルバンクのカリスマ転職代理人「海老沢康生」のモデル。人事・雇用ジャーナリスト。企業の採用活動の裏側を描いた「学歴の耐えられない軽さ」(朝日新聞出版)は、就活学生必読の書。

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