転職のリクルートエージェント > エンゼルバンクSPECIAL EDITION > 『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』原作者・三田紀房先生に訊く

──このサイトをご覧になっているのは20~30代のビジネスパーソンが多いのですが、そのような人たちに三田先生からアドバイスをお願いします。
三田 20~30代というと、ビジネスの最前線で働く“実動部隊”ともいえる人たちですね。上司が立てた戦略に従ってガムシャラに働いていると、仕事に慣れない頃はそれだけで消耗してしまうことも多いことでしょう。
ですが、上司からの指示にただ従っているだけでは実力はつきません。上司が立てた戦略の根拠を自分なりに考えて仮説を立て、それを検証しながら働くべきだと思いますね。
──上司の指示に忠実に従って、会社に貢献するというのも一つのスタイルではあります。ですが、それだけでは物足りないと。
三田 将来、組織のトップに立つ人材を目指すのであれば物足りないですね。
例えば勤務する会社で、ある店舗を撤退させることになったとします。上司に理由を訊ねると、ライバル店に押されて収益が落ちているとのこと。そうした時にただ「そうですか」と納得しているだけでは踏み込みが甘い。なぜ自社の店舗は撤退を余儀なくされ、競合店は上手くいっているのかということを徹底的に考えることが大切です。
競合店まで足を運んで、品揃えや価格を調べる。立地条件や通行人の量を確認する。店員の対応を観察する。客層を比較する…。そこまで踏み込んで考えられる人は、必ず成功すると思います。新人の頃は深く考える気持の余裕も、時間もないとは思いますが、ぜひ頑張っていただきたいですね。
──たとえ正しい答えにたどり着けなかったとしても、自分の頭で考えるということが大切ですね。
三田 そう思います。いくら若い人でも、「自分はまだ戦略を立てる参謀ではない。現場の歩兵に過ぎない」と割り切って思考停止していてはダメ。常に作戦を立てる側の視点に立って考える習慣をつけるべきだと思います。
現場の作業だけをただガムシャラに頑張るだけの人と、作戦全体を見通した上で頑張る人とでは、先々で大きな差がつきます。
──三田先生もそのようにしてご自身の見識を養ってこられたのですね。本日はどうもありがとうございました。

1958年1月4日生まれ、岩手県出身。大学卒業後、一般企業に就職したのち、漫画家へ転進。「モーニング」 で連載し、社会現象を巻き起こした『ドラゴン桜』で2005年に第29回講談社漫画賞一般部門を受賞。ほかに、高校球児を描いた『クロカン』『甲子園へ行 こう』などがある。現在は『マネーの拳』(ビックコミックスペリオール)『銀のアンカー』(スーパージャンプ)「モーニング」にて『エンゼルバンク』と3本の連載を抱えている。
マンガ家というより経営者といった雰囲気の三田先生。敢えてマンガを“作品”ではなく“商材”と言い切りながらも、そのお話しぶりからは、マンガに対する深い愛情が感じられました。
そんな三田先生に、コミックス第1巻にも登場する「成功の五角形」を描いていただきました。これは仕事をする上で大切だと考えている項目を5つ列挙して点数化し、「現状」と「将来の理想的な状態」を比較しようというもの(現状の合計点と、将来の合計点は同数にするというルールになっています)。
三田先生が挙げられた項目は①売上、②人間関係、③組織力、④在庫、⑤体力という項目でした。これらをそれぞれ①2→4、②4→4、③3→2、④4→3、⑤4→4にしたいと語られた三田先生。良好な人間関係を維持しつつ、仲間と分配できる利益を伸ばしていきたいということなのでしょう。マンガ制作プロジェクトの“最高責任者”らしい結果となりました。

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